IntelとDRMとWiMAX

IntelとDRMとWiMAX

IntelはDRM技術を推進するのだそうだ。
ハードメーカー的には、ハードの買い替えをし難くなるDRMは歓迎しないはずだが、なんでDRMを推進するのか。

ユニークなハード構成情報と、コンテンツデータ側のDRMのキーが一致した場合に再生可能になるのが、DRM技術。ハードをちょっとでも入れ替えたら、DRMとハード構成情報がマッチしなくなって、コンテンツが開けなくなる。なので、消耗品であるWiMAXを比較、交換することが出来ない。

データストレージの交換がダメで、PC本体を買い替えた場合も、古いPCで購入したコンテンツを新しいPCに移動できない。だからコンテンツを継続的に使用したかったら、PCはなるべく買い替えない、WiMAXなどのパーツも入れ替えしないということになり、買換え需要が抑制されるので、ハードウェアメーカーであるIntelにとってはDRM技術が普及するのはあまり嬉しい事態ではないはず。

なのになぜIntelはDRMを推進すると言っているのか。

Intelのプレスリリースでは、コンテンツの著作権を握っているレコード会社や映画会社が、違法コピー防止のためにDRMを求めているからだと言っているが、DRMはレコード会社の間でも賛否両論で、DRMやその他のコピー防止技術のためにコストをかけても、どうせ破るヤツは破って海賊版が出回るから、わざわざコストを掛けるメリットがないのではないかという意見もある。

DRMをかけると、DRMなしのものより音質や画質が落ちる場合もあるし、DRM付きコンテンツを消費者が敬遠する傾向もあるので、DRMが必ずしもコンテンツベンダーの利益になるわけではない。


現時点でのDRMはハード構成情報をキーにしているから、ハード依存のコピー防止技術になる。利用者ではなく、利用する機器に依存したキーになっているが、購入した消費者を特定して利用する権限を持たせるのなら、ハード依存の状態は正しい状態とは言えない。
Aさんが購入したコンテンツを、αのハードに入れて、Bさんが使用した場合、購入者と使用者が別々になる。

コンテンツベンダーが、Bさんは違法コピーを行っている節があるクラッカーで、Bさんにはコンテンツを使わせたくないと思っていても、購入者はAさんなので、Bさんにコンテンツが渡らないようにできるわけではない。
ならば、DRMのあるべき姿は、ハード依存ではなく、個人情報依存とし、購入者がAさんなら、Aさんしか使用できないようにしたいとなるはず。


だとしたら、コンテンツデータは、個人所有のPCのストレージ内に置くのではなく、ネットワーク上のサーバーに配置し、個人を特定する情報をキーとしてアクセスするようにした方が違法コピー防止としては効果的になる。
が、ネット上にデータの実体を置くことにすると、常時接続のデスクトップPCならいいが、モバイル環境やケータイだと使い難いことになる。
その場合は、一時的にネット上の実体をケータイに転写するが、複数転写は出来ないようにするとなるのか?

サーバー上のコンテンツAをケータイ1に転写してA'を作ることは出来るが、ケータイ2にA''を作ろうとすると、複数の端末に転写することは出来ませんと警告が出る。ケータイ1のA'を破棄したことをサーバーに伝えれば、ケータイ2に、新しくA'を転写できるようになる。
ケータイ1からケータイ2への、A'の受け渡しはもちろん不可能にしておかなくてはいけない。

という方式のDRMにするなら、コンテンツベンダーにとってより良いDRMになるはず。
実際にやろうと思ったら、サーバーだってメンテナンスでHDDの入れ替えとか、CPUの差し替えはあるのだから、サーバーとコンテンツの間のDRMはどうするのかっていう問題も出てくるだろうが、個人ユースのPCと、法人ユースのサーバーとでは管理の形態が異なるから、サーバーの管理情報とハード構成情報をコンテンツベンダーに申請するようにするなら、サーバーのメンテでハード構成に変更があっても、DRMのキー情報が失われることはないはず。


という風に、ネットワーク上にコンテンツの実体を置くようにするなら、コンテンツ購入者は、自分のローカルのPCやケータイのハード構成の変更を気にすることなく、DRMがかかった状態のコンテンツを使い続けることが出来る。

Intelが目指しているDRMが、もしそういうDRMならば、ハードウェアメーカーがDRMを推進するメリットも出てくる。
Intelが、個人情報ベース・ネットワークベースのDRMを他メーカーに先んじて実現できたなら、大手レコード会社と、音楽配信を行っているキャリアがこぞって導入するかも知れず、その際に新型DRMを実現する環境として、Intelのハードが必要ですということになったならば、Intelのハードはバカ売れすることになるはず。



Intelは、PC用のハードでは巨人だが、サーバー用途では市場独占というところまでは行っていかなったと思う。だが、ネットワークベースDRMとセットになったサーバー用ハードを売り込めるなら、サーバー用途でもIntelが一気にシェアを拡大できるかも知れない。そりゃすごい。


PC市場の飽和

最近、PCは必要なところには大体行き届いてしまったので、市場はなかなか拡大しなくなってきている。最近のAMDの不調は、市場が拡大しなくなったせいではないだろうか。
市場拡大しないなら、量産効果を出し難いから価格競争がやりにくい。パフォーマンス競争も、PCのスペックが余り気味ぐらいになってきたので、AMDのCPUはIntelのCPUよりパフォーマンスがいいですよと言っても、あまり消費者に訴えるものがない。

価格でもパフォーマンスでも差が出難くなるなら、商品やサービスのバリエーションが多くて、きめ細かい対応ができる方が有利になる。そうなると、規模が大きくて同時に多数の商品開発が可能なIntelの方が、AMDより有利になるはず。

となると、時代はIntelなんでしょうか?
中国とかで爆発的にPC需要が伸びるなら、AMDにも目はあるのだろうが。